kumagusuku is
芸術は、いつから
存在するのでしょうか。
確かめる術はもうありませんが、人が人であると思い至ったその時、すでにその萌芽はあったように思います。
では、芸術的行為は人にとって生死をかけた狩りの合間の余興だったのでしょうか?
私はそうは思いません。
それは人にとってもっと生きることに密接に関わったものだったに違いないと思うのです。過言を承知で言えば、人類は芸術を手に入れたが故に今を生きることができているともいえます。
二足歩行を始めた人類は、手を使って道具をつくり始めました。
機能のあるもの(道具)を出発点としてより抽象的な創作へ。
祭りや葬送、衣装(仮面)などが生み出されました。
芸術はもっと生きることの中心に近い存在だった。
現代ではともすれば、日常(仕事)と芸術を別のものとして捉えがちです。
さも芸術は美術館や映画館の中にしか存在しないかのように。
私はもっと生きることの中心に芸術を取り戻したいと考えています。
kumagusukuは「泊まる」という言葉と芸術の出会いから始まりました。
泊まりながら展覧会を鑑賞する。
建築そのものをアート作品のように体験できる場として2013年に瀬戸内国際芸術祭で実験的に行われた3ヶ月限定のプロジェクトがkumagusukuの原点です。
現在は京都に場所を移し事業形態も変わりましたが、アートと人の新しい接点をつくるという軸は変わっていません。
既存の美術館やギャラリーではない、もっと生きることに近い場所で新しいことができないかと探ってきました。
活動の幅はkumagusukuが始まった当初と比べると大きく拡がりました。
振り返るとそこにはいつも「作品」とともに「アーティスト」があったように思います。
作品よりもアーティストという存在そのものをどうやって社会に接続させるのか。
それがいま私の取り組んでいることなのかも知れません。
矢津 吉隆
Profile

Yoshitaka Yazu
矢津 吉隆
美術家
kumagusuku代表
1980年大阪生まれ、京都市立芸術大学美術科彫刻専攻卒業
京都芸術大学美術工芸学科専任講師
京都市立芸術大学芸術資源研究センター客員研究員
一般社団法人BASE 理事
一般社団法人 北山舎 理事
京都アートラウンジ ディレクター
京都を拠点に美術家として活動。作家活動と並行してオルタナティブアートスペース「kumagusuku」のプロジェクトを開始し、瀬戸内国際芸術祭2013醤の郷+坂手港プロジェクトに参加。2017年からは山田毅とアートの廃材を利活用するアートプロジェクト「副産物産店」を開始。主な展覧会に「第13回岡本太郎現代芸術賞(TARO賞)」川崎市岡本太郎美術館(2009)、「青森EARTH 2016 根と路」青森県立美術館(2016)、「アブソリュート・チェアーズ」埼玉県立近代美術館(2024)など。
Company Information
株式会社kumagusuku
〒604-8805 京都市中京区壬生馬場町37-3
- 代表取締役
- 矢津吉隆
- 設立
- 2016年12月5日
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